ともに育つ ともに育つ

統合保育のちから 統合保育のちから
平成22年度の統合保育研究会を振り返って
川崎市幼稚園協会統合保育研究会講師
つかごし療育コンサルティング
 代表 塚越和子
 平成15年に通常学級のなかに発達障害の疑いがある児童・生徒が全体の6.3%いることが文部科学省から報告されました。以来、平成19年に特別支援教育がスタートし、学校のなかで個々の子どもたちの発達の特性にそった支援と教育を行うことが求められています。
 これに伴い、幼稚園・保育園のなかにいる、”気になる子どもたちの早期発見と支援も求められるようになりました。一言で支援と言っても、どのように現場の先生方が取り組んでいけばよいのでしょうか。まず、一番大切なことは子どもたちの発達の特性を理解することです。それから、特性に応じた支援の仕方を考えなければ状況はなにも改善しません。
 今年度の統合保育研究会でも、先生方が対象児の発達特性について行動観察を通して把握し、指導目標を設定し、園内の限られた環境、先生方の限られた時間を考慮して支援可能な方法で対応を始めてくださいました。対象児の支援をしながら、日々の保育を進めることは大変むずかしいものだったと思います。研究会に参加してくださった先生方は、このような状況のなかで、研究会の基本主題である、1人1人の子どもたちの育ちを支援することを根気強く続けてくださいました。時には、対象児以外にも気になる子どもの対応をするために、何度も「おたずねファックス」を送ってくださった先生もいました。
 研究会を重ねるごとに、対象児だけではなく、どの子どもたちにも理解しやすい具体的な伝え方の大切さに気づきました。そして、子どもたちを取り巻く環境を整え、家庭と園との対応に一貫性が持てるように、保護者にも協力をお願いし、その話し方を工夫しました。また、先生が率先して対象児に関わることで、対象児への関わり方を他児にも学んでもらう努力など、たくさんのことをグループワークを通して話し合い、実行し、時にはロールプレイングも試みました。対応した結果がすぐにあらわれない時もありましたが、先生方が子どもたちの力を信じ、諦めないで日々の保育に取り組んでくださった姿に敬服したことを覚えています。初めは困惑することが多かった年度初めでしたが、根気強い対応の成呆が少しずつあらわれ、対象児がひとまわり大きく成長するとともに、他児も対象児を理解して子どもたち同士の関わりが増えてきました。
 今年度も参加してくださった先生方が経験を互いに共有し、共感しながら、具体的な支援の仕方を学ぶ機会を持ち、対象児の特性から将来大きな問題が起こらないように予防的対応をしてくださったことに心から感謝いたします。また、私たちにたくさんの学びの場をつくってくださり、子どもたち1人1人の育ちについて考える機会を与えてくださった川崎市幼椎園協会に心からお礼を申し上げます。